子どもの頃、既に、「習っている先生の弾き方の癖がつく・・」という話は聞いていました。私自身はどうだったのか・・。子どもの頃、同じ先生に習っていて、今も講師として活躍している幼馴染がいます。彼女がいうには、その時に習っていた先生は、いわゆるカリスマ的な先生だったと。レッスンを受けていた当時の楽譜を見ていると、今でもハッとしてしまうような先生の書き込みに気づくことがあります。暗譜をしないと、曲を合格させてくれなかった先生でした。厳しかったけど、講師になった私にとっては、とても良いご指導を子どもの時にしていただいたと思っています。だから、悪い癖というものは、たぶんないだろうと思っていますが、第三者から見た場合は何か癖というものがあるかもしれません。
大人の生徒さんは、子どもの頃に習っていた・・何年も何十年もブランクのある後に習いに来られる方がおられます。私が特に気にならずに指導しやすい方がいらっしゃるかと思えば、かなりご自分のペースでどんどん弾いて来られる方もいらっしゃいます。以前に習っていらっしゃった先生のやり方と私のやり方が違うときは、大変困ってしまいます。どちらが良い、悪いとは言えないと思いますが、明らかに楽譜上と違うときは、私は何度も何度もやり直していただいています。やっぱり、先に先に進んでいくことより、決まり事は正しく、そして大人の音楽になるように指導させていただいています。
「この癖はなおりません」という方もいらっしゃいますが、間違ったまま、おかしいまま、曲が仕上がるのは、レッスンを受けていただく意味がありません。そこをご理解いただいた上で、あとは音楽を楽しんでいただけたらなぁと思っています。
素直な子どもさんほど算数がよくできるといいます。素直に取り組んでくれる子どもさんは、それなりに上達していきます。大人も同じかと思います。毎回、同じことを注意してしまいますが、少しだけ素直に聞いていただいて、気長にレッスンを受けていただければと思います。なおらないと言われても、いつの間にか、ちゃんと音楽的に仕上がっていきます。